不動産に関係する法律で、建築基準法なるものがある。
その中でも、最近やっかい(?)なのは「準工業地域」である。
準工業地域(じゅんこうぎょうちいき)は、都市計画法による用途地域の一つで、主に環境悪化の恐れのない工業の利便を図る地域[1]。住宅や商店など多様な用途の建物が建てられる用途地域である。
(wiki pedia)主に軽工業の工場やサービス施設等が立地する地域で、危険性・環境悪化が大きい工場のほかはほとんど建てられる。
(イクラ不動産 準工業地域についてわかりやすくまとめた https://iqrafudosan.com/channel/quasi-industrial)

この理論でいうと、小さな工場ができる地域といえる。
新たな居住者
しかし、時はながれ、いままで商業地にマンションなぞ建ちようもなかったのに、バブル以降は神戸の町でも、三宮にマンションが建つ。
同じように、準工業地域においても工場や倉庫が閉鎖、その後その土地を住宅メーカーが買い上げ、住宅として販売していった。
結果、準工業地域にも多くの住宅が増えた。
これだけ見れば、別に悪いことも無いような気がするが、現在この状況が、とある問題を引き起こしている。
準工業地域なのに、工場で使えない
実は準工業地域の需要は高い、逆に言うと、ちょっとした工場は準工業もしくは、それ以上の工業寄りの用途地域内しか建てられない。
よって、小さい工場が欲しいということで、相談があるが、実際現場を見るとクライアントが言う。
「近隣に人が住んでいるので、クレームがあるだろうから辞めます。」
そうなのです、法律的にOKなのに、やれない。そんな風になっているのです。
準工業地域に住んでいる人が悪いのか?
もし、準工業地域に住んでいて、隣の空き地に音のする工場が来たら?
居住者の立場で言えば、工場が法的にクリアのものであれば「横は住んでいるから音の出る工場はだめー!」と言っても「はいはい、文句は行政にいうて」で極論は終わり。
じゃあ準工業地域に住んでいる人が悪いのか?というと、そうではない。
ただ、準工業地域に住むということは、相応のリスクがある。これが正解だろう。
とはいえ、工場を出したい方も近隣とは仲良くしたい企業が多いので、結局進出を諦めるということを何回か見てきました。
葬儀会館反対!
また、たまに見るのは「葬儀会館建設反対」というもの。
葬儀会館を建てる、これはかなりの用途地域で認められています。
逆に出来ないところは・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・第一種中高層住居専用地域
・田園住居地域
・工業専用地域
この4つで、あとは面積により第二種中高層住居専用地域でも建築が可能です。
ほとんどの方が、亡くなる時にお世話になる葬儀会館ですが、やはり近所にできるとなると反対されやすい業種です。
以前某葬儀会社から、会館を建てることで相談を受けました。
売主は「葬儀会館に売ってもいいが、ワシが葬儀会館に売ったとなると、近隣から文句言われるから、どうにかしてくれ」と言われました。
まあ、書きませんが頭を使ってこれは適法に解決したことがあります。
まとめ
このように、不動産の話は「法的にOK」だからと杓子定規に進めれないことも多々あります。
もちろん、法律的にOKであれば押し通してもOKだろう、それもあるでしょう。
地域と連携していきたいのか?情は切り離していくのか?
これはクライアント次第でもあります。
とはいえ、法的にOKなところで、それが出来ない。というのは、法が時代と合ってないと言えるでしょう。